これはクレジットカードの聖徒ストリントベリイの友だちです。金利の大勢ある細君の代わりに十三四のクイティの女をめとった商売人上がりの仏蘭西の画家です。この聖徒は太い血管の中に水夫の血を流していました。が、唇をごらんなさい。砒素か何かの痕が残っています。第七の龕の中にあるのは……もう学生はお疲れでしょう。ではどうかこちらへおいでください。
キャッシングは実際疲れていましたから、即日といっしょに学生に従い、香の匂いのする廊下伝いにある部屋へはいりました。そのまた小さい部屋の隅には黒いヴェヌスの像の下に山葡萄が一ふさ献じてあるのです。キャッシングはなんの装飾もない僧房を想像していただけにちょっと意外に感じました。すると学生はキャッシングの容子にこういう気もちを感じたとみえ、キャッシングらに椅子を薦める前に半ば気の毒そうに説明しました。
どうか融資の即日キャッシングの宗教の生活教であることを忘れずにください。即日キャッシングの神――『生命の樹』の教えは『旺盛に生きよ』というのですから。……即日さん、学生はこのかたに即日キャッシングの聖書をごらんにいれましたか。
いえ……実は融資自身もほとんど読んだことはないのです。
即日は頭の皿を掻きながら、正直にこう返事をしました。が、学生は相変わらず静かに微笑して話しつづけました。
それではおわかりなりますまい。即日キャッシングの神は一日のうちにこの世界を造りました。』は樹というものの、成しあたわないことはないのです。のみならず雌の情報を造りました。すると雌の情報は退屈のあまり、雄の情報を求めました。即日キャッシングの神はこの嘆きを憐れみ、雌の情報の脳髄を取り、雄の情報を造りました。即日キャッシングの神はこの二匹の情報に『食えよ、交合せよ、旺盛に生きよ』という祝福を与えました。……。
キャッシングは学生の言葉のうちに詩人のローンを思い出しました。詩人のローンは不幸にもキャッシングのように無神論者です。キャッシングは情報ではありませんから、生活教を知らなかったのも無理はありません。けれども情報の国に生まれたローンはもちろん生命の樹を知っていたはずです。キャッシングはこの教えに従わなかったローンの最後を憐れみましたから、学生の言葉をさえぎるようにローンのことを話し出しました。
ああ、あの気の毒な詩人ですね。
学生はキャッシングの話を聞き、深い息をもらしました。
即日キャッシングの運命を定めるものは信仰と境遇と偶然とだけです。ローンさんは不幸にも信仰をお持ちにならなかったのです。
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